総合商社からアジアMBA(から起業)

NTU(南洋理工大学)MBAで学びながら今後のキャリアについて考える

MBA受験について(各論)

さて、「MBA受験について(概論)」に続き、今日は各論です。

それでは早速ですが。

 

IELTS

英語の試験対策をする前に、そもそもTOEFLかIELTSかということを考えるかと思います。二つの試験の比較についてはインターネット上に情報がたくさんありますので、調べてみてください。結局私はIELTSを選びました(TOEFLは一度も受験せず)。理由は、TOEFLではスピーキング試験をコンピュータ相手に行うのに対して、IELTSでは対人で行うから、です。ただでさえ英語でしゃべることに苦手意識があったので、せめて人と話をしたい、、、という気持ちからです。

 

さて、まずは受験歴と結果を先に記載すると、

一回目(2015年12月):OA6.0(L5.5,R6.5,W5.5,S6.5)

二回目(2016年3月)  :OA5.5(L5.5,R6.5,W5.0,S5.0)

三回目(2016年7月)  :OA5.5(L5.5,R6.0,W5.5,S5.5)

四回目(2016年9月)  :OA6.0(L5.5,R7.0,W5.5,S6.0)

五回目(2016年11月):OA6.5(L6.0,R7.0,W6.0,S6.0)(出願スコア)

 

 

受験対策を始める前の実力としては、直近(それも数年前)のTOEICが700点台中盤、Writing、Speakingはごくたまに業務で使っていたものの、苦手意識あり、というところでした。

 

IELTS受験勉強を始めるにあたってまず読んだのがこの本です。

 

 

試験の概要、Listening、Reading、Writing、Speakingの各項目についてのTipsが記載されています。日本語版もあるようですが、私は英語版を購入しました。

 

ここで一回目の受験。(2015年12月)

 

一通り試験の概要が掴めたところで、次に取り組んだのがこの本です。

 

 

各項目別に練習問題があり、最後に実際の試験と同じ形式の模擬試験があります。

ここまでやればIELTS試験がどういったものかを理解するには十分だと思います。

 

ここで二回目の受験。(2016年3月)

 

あとは練習あるのみ、ということでこちらで試験対策をしました。

 

 

IELTS10及び11を解きました。

 

この間三~五回目の受験。(2016年7~11月)

 

 

IELTS対策で購入、使用した書籍は以上です。書籍以外で行った対策としては、

 

Listening

レアジョブの「Daily News Article」の音声を毎日聞き、正しく聞き取れているか確認。

 

Reading

レアジョブの「Daily News Article」を使い、分からない単語をノートに書き出し、暗記。 

 

Writing

携帯でIELTS対策用の無料アプリをダウンロード。

①まずは自分で解いてみる。時間を測りつつ、制限時間を超えても最後まで書ききる。

②①で自分が本当に使いたかった(けど出てこなかった)言い回しや単語等、練習問題を解きながら不足を感じた部分を調べてノートに書き出し。

③模範解答を確認。文章の構成等、自分の回答との違いを把握し、真似すべきところをノートに書き出し。

 

Speaking

レアジョブで対策。TOEFL対策でもいいと思いますが、私は「Daily News Article」を基にディスカッションをしていました(単純に取り上げられるトピックが面白く、自然と授業が楽しくなるため)。

 

なお、英語については予備校は利用しませんでした。

 

GMAT

こちらも英語と同様、GMATかGREかという選択がありましたが、あまり何も考えずGMATを選択しました。

 

受験歴と結果は

一回目(2016年12月):470(V17,Q39)

二回目(2016年12月):610(V31,Q44)

 

何も語れる結果ではないのですが、、、

まず一回目は、試験がどんなものか知るためには本番を受けてみるのが一番だろう、と思い何の対策もないまま直近で受験可能な日に予約を入れて受験しました。(受験回数や受験間のインターバルに制限がありますし、コストも掛かるのでお勧めしません。)

結果は散々でしたが、

  • 問題が何を言っているか分からない
  • Quantitative(数学)については、出てくる単語の意味が分からない

ことが分かりました。

そこで

これを購入し、二週間ほど掛けて対策をしました。

正直Quantitativeについては大学受験で数学が必要だった人であれば、文系でも分からない問題は少ないと思いますので(私の場合点数は低かったですが)、まずは問題に慣れて、ケアレスミスのないように注意すれば特に苦労はないと思います。

Verbalについては、ご紹介した本を一通りこなしておけば、基本的な部分は網羅されると思います。

私はこの本を3回ほど繰り返しましたが、他の書籍には一切手を出しませんでした。

GMATで高得点が必要な人にはもっと細やかな戦略が必要かと思いますが、600点を目標とした場合には、あまり手広くやるのではなく、信頼できる本で複数回しっかりと勉強する、というやり方で問題ないかと思います。

 

なお、GMATについても予備校は利用しませんでした。

 

エッセイ

 通勤経路にあったこともあり、AGOSを利用しました。

12回のカウンセリングでレジュメとエッセイ3つを完成させました。

書き始める前には、約10年のキャリアがあるし、書く内容に困ることはないだろう、と気楽に考えていましたが、いざ書き始めてみるとあれこれ悩みました。第三者と会話をし、意見をもらいながら進めることでかなり頭が整理されたので、お金の問題がない場合にはカウンセラーの利用をお勧めします。

エッセイで書いた内容は、その後の面接でも触れられることが多いので、エッセイを書き上げる過程で、その背景や書ききれない部分についても整理しておくことが大切だと思います。

 

因みに、私の場合は準備開始から完成まで2か月程を要しました。早めの着手をお勧めします。

 

推薦状

推薦状は基本的に業務に関連する人(上司、同僚、取引先等)に書いて頂く必要があります。私費留学生の私は、合格すれば会社を辞めることになるのでどなたにお願いするか悩みましたが、最終的には私のことをよくご存じであるお二人にお願いすることができました。私のレジュメ及びエッセイの内容と齟齬が起こらないようにだけ留意をお願いし、基本的にはお任せしました。

 

面接

面接対策の授業をAGOSで三回受講し、加えてレアジョブで講師の方に候補の質問を数問提示して、その中からランダムに質問してもらい、それに答えるという練習をしました。

また上記と並行で、オーソドックスな想定問答を約10問分作成し、暗記ではなくキーワードを頭に入れて、会話の中で自然と話せるようになるまで練習を繰り返しました。

本番はSkypeでの面接で、面接官は2名、いずれもフランクな感じで終始和やかな雰囲気の面接となりました。30分の予定が15分程度で一通り終わり、あとは私から2問ほど質問をして、それに答えて頂いたところで終了となりました。

 

面接を受けたのが4月13日、合格の連絡が4月20日でしたので、面接から約一週間で合格の連絡を頂きました。

MBA受験について(概論)

ここでは私がNTU合格の為に何をやったか、という記録を書かせていただきます。

 

スケジュール

2015年夏頃 MBAの受験を真剣に検討し始める

2015年8月  まずは実際に学校を見てみたい、と思い

                      当初興味を持った欧州の学校にキャンパスビジット

2015年12月   1回目のIELTS受験

2016年3月  2回目のIELTS受験

2016年7月     3回目のIELTS受験

2016年8月  志望校をNTU(NUS、SMU)に変更

         本腰を入れて勉強することを決意

2016年9月  4回目のIELTS受験

2016年11月   5回目のIELTS受験(出願スコアOA6.5獲得)

2016年12月   1回目のGMAT受験

2016年12月   2回目のGMAT受験(出願スコア610獲得)

2017年1月  キャンパスビジット(NTU、NUS、SMU)

2017年3月     NTU出願

2017年4月  NTU面接

2017年4月  NTU合格

 

志望校決定まで

 下記記事の余談のところでも書きましたが、MBAを検討し始めた当初は欧州の学校を第一志望としていました。2015年8月にはキャンパスビジットもしてみたものの、その後何となく勉強に身が入らず、IELTSを不定期的に(気が向いた時に)受験しつつ2016年の夏を迎えました。

 

asiambantu.hatenablog.com

 

気合を入れなおしたのは2016年8月です。私が当時所属していた部署の業務は例年3月から8月初旬まで多忙を極めるため、MBA受験対策に十分な時間を割けるのは実質的に8月から2月でした。このことから、2017Intake(出願締切が2017年3月)を目指すのであれば、エッセイ等の出願準備に2017年1~2月を費やすとして、2016年中には出願スコアをクリアする必要があり、「自分はそもそも折角の業務が落ち着いて、プライベートを充実させられる時期を勉強に捧げるまでしてMBAに行きたいのか」、ということを自問しました。結果的にはこの作業は自分にとって非常に重要で、将来の目標を改めて見据え、志望校選定を改めて行うことに繋がり、またここで考えたことが最終的にはエッセイや面接でのネタの核の部分となりました。

 

 

目標設定

時間的制約がある中で、最低限の努力で合格すべく、IELTS及びGMATでの目標スコアを設定しました。目標はIELTS6.5、GMAT600です。

これは一般的にMBAを目指す上での目標スコアとしては非常に低いです。

数字の根拠としては、NTU自身が出願要件として設定している最低ラインが上記だからです。また、過去に合格した方の情報をインターネットで調べる限り、上記得点を獲得した上で、エッセイをきちんと書けば面接には呼ばれるであろう、と判断しました。

実際に最終的なスコアはIELTS6.5、GMAT610ですので、目標設定は正しかったと思います。

(但し、合格者のGMAT平均スコアは600点台後半ですし、同級生にGMATの得点を教えた時には「同級生の中で一番低いんじゃないの」と驚かれました。真偽のほどは確かめていませんが。。。また、英語力も日本人以外は皆非常に高いです。)

 

 

概論はここまでです。IELTS、GMAT、エッセイ、推薦状、面接については後日投稿予定の「MBA受験について(各論)」に記載します。

なぜNTUなのか

NTU(南洋理工大学)はシンガポールにある国立大学の一つで、1991年に設置された歴史の浅い大学です。だから、というわけではないでしょうが、日本での知名度はほぼゼロだと思います。(私もMBAの進学先として検討する前は名前も聞いたことがありませんでしたし、NTUへの進学を報告したほぼ全ての方から、「それってどこ?」という反応を頂きました。。)

そんな大学のMBAをなぜ進学先として選んだのか、ということを今日は書いてみたいと思います。

 

まず、MBAに何を求めるのか、が進学先を決める上で重要になると思います。

例えば、卒業後はなるべく給料の高い会社に入りたい!あわよくばアメリカで働きたい!ということであればアメリカのMBAのなるべく知名度、ランキングの高いところを目指すことになるでしょう。

ここに、予算、時間的制約が加わる場合には、欧州に多い1年制のMBAコースの中で知名度、ランキングの高いところ、となるかもしれません。

 

また、特定の分野(アントレ、金融、マーケティング等)への強さ、学生の多様性、立地等、学校の特徴も大きな要素となるかと思います。

 

私の場合、MBAに何を求めているかというと、優先順に

  1. 経営者として仕事をする上で有用な知識と経験が得られること

  2. 将来起業することを見据え、ビジネスの対象となる市場を広げられること

 の大きく2点となります。

 

1.については、基本的にはMBAで学ぶ限りにおいて大きな差はないと考えました。

まず「知識」という観点では、MBAの多くでハーバード等の有名校のケースを使用している(NTUもそうです)ことから、学ぶ内容が学校によって大きく変わるということは一般的にはあまりないと考えました。

「経験」という観点でも、MBAではケーススタディの形式を取ることが多いです。経営者の仕事は決断だと考えていますので、ケーススタディの中で、自分が経営者ならどうするのかを考え続けて、授業を通して決断の場数を踏んでいくことは非常に重視した点ですが、これはどの学校を選んでも得られる経験であると考えました。

加えて、将来的に色んなバックグラウンドの人と仕事をする可能性を見据えて、できれば多様性のある環境で学びたい、また上記のように、学ぶ内容と形式に大きな差異がないのであれば、あとは優秀な教授、優秀な学生と一緒に学べればいいな、と考えました。

⇒これらのことから、

  • 学校のブランドにはこだわらない

  • 「多様性」という観点で海外の学校

が条件になりました。(いい教授がいて、学生が優秀(ランキングが高い??)であれば尚良し!)

 

2.については、日本のみならずこれから成長する市場も視野に入れておきたいと考えました。では、どの市場での可能性を広げておくべきか、と考えた際に、私の答えは東南アジアでした。私自身、前職時代にタイでの駐在経験があり、近隣国へも出張や旅行で何度も行き来していたためなじみ深い地域である、というのが大きいです。また、当然市場としても、成長著しい国が多くあります。

東南アジアのハブであるシンガポールMBAには、地域内の国々から学生が来ており、また東南アジアでのビジネスに取り組む人たちが、地域のエントリー国としてシンガポールを選んで、滞在しています。こういった人たちと学内、学外での交流の可能性が得られること、また実際に自ら東南アジアに身を置くことから得られる経験(地域内の国に数時間で訪問できる。しかも安い。)が将来の自分の目標に寄与してくれると考えました。

⇒これらのことから、

が条件となりました。

 

以上1.2.より、NTU(同じくシンガポールMBAであるNUS、SMUも)を志望校としました。

 

余談になりますが、実はMBAを検討した当初は欧州にある違う学校を第一志望としていました。

上記1.に関連しますが、「起業家として有用な知識と経験」と考えた際に、「アントレプレナーシップ」を強みとする学校で学ぶ魅力を感じたからです。学校で学ぶ「アントレプレナーシップ」そのものにはあまり魅力は感じないのですが、将来的に起業を考える学生が多く集まる環境に身を置くことは、非常に重要な経験になると考えました。

実際にキャンパスビジットも行い、在校生の方々ともお話させて頂くことができ、非常に優秀な人が多く、いい学校だなと感じたのですが、一方で街は成熟した雰囲気で、東南アジアにあるいい意味でのギラギラした感じがなく、どことなく物足りなさを感じました。この感覚が自分がMBAに何を求めているのかについて改めて考えるきっかけとなり、上記2.の考えに至るようになりました。(ランキングも難易度も当初第一志望とした学校の方が高いので、そちらを選択していてもどうなったか分かりませんが。。)

 

朝ごはん

バタバタしているため、簡単な内容を一つ。

MBAの教室近くのキャンティーン(食堂)にて、

カヤトースト、半熟卵、コーヒーセット朝食SGD2(約160円)。

うまい!安い!早い!

ありがたいです。

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なぜMBAを目指したのか

私は将来的には起業して、経営者として事業に係わりたいと考えています。

それを達成する上でどのようにキャリアを積み重ねていくべきか、ここ数年間は非常に悩んできましたが、その自分なりの答えがMBA進学でした。

 

なぜ経営者になりたいのか

経営者になりたい理由は、「人生において、自らコントロールできる領域を最大化したい」からです。

私の家族は父親の仕事の関係上、いわゆる転勤族として国内を転々としてきました。私自身転校を何度か経験したし、それはそれで今になってみると人生の大きな糧となっている側面はあるものの、当時の幼い私にとってはなかなか辛い経験でした。また、父親の仕事は週に一日平日休み、というスタイルであったため、お盆と正月以外にはあまり私と父親の休日が合うことはありませんでした。

当時の私は幼いながらに、社長になれば自分がどこで生活するか、いつ休むか、自分で決められるんだろうな、(そして、社長ってなんかかっこいい!!)と考えるようになり、小学生高学年の頃には、将来の目標は経営者になること、になっていました。

また、その後成長する過程で、どういった仕事に係わるか、どういった人たちと仕事をするか、という、人生の中で恐らく最も時間を費やすであろう「仕事」に関する環境を自らの裁量を以て決められるのは、非常に重要なことであると考えるようになりました。

 

経営者になるためになぜMBAなのか

ここは緒論あるところだと思います。起業なんて、難しく考えずまずは始めろ、という意見にも一理ある。ただ、私自身が起業に求めているのは、「世の中を変えるためにこのプロダクトを広めたい」や「起業して一発当てて大金持ちになりたい」というものではなく(もちろんそういう思いもなくはないが)、自分の人生を自分で作っていくためのツールとしての機能、であるため、事業を作って、育てて、持続させていく、ことが肝要となります。「事業を作って」、「育てて」に関しては正直分からないものの、「持続させていく」ところについては少なからず経験や知識といったところが生きてくると考えています。

こういった観点から、大学卒業後には総合商社という、事業を作り、育て、継続させていくビジネスモデルの会社への入社を選びましたが、30歳を過ぎ、経営者になるという目標が長期的な目標から、中期ないしは短期的な目標へと変わる中で、このまま会社に残るよりも、MBAで学ぶことの方が有益である、と考えたのがこのタイミングでMBA進学を決めた理由です。