総合商社からアジアMBA(から起業)

NTU(南洋理工大学)MBAで学びながら今後のキャリアについて考える

なぜNTUなのか

NTU(南洋理工大学)はシンガポールにある国立大学の一つで、1991年に設置された歴史の浅い大学です。だから、というわけではないでしょうが、日本での知名度はほぼゼロだと思います。(私もMBAの進学先として検討する前は名前も聞いたことがありませんでしたし、NTUへの進学を報告したほぼ全ての方から、「それってどこ?」という反応を頂きました。。)

そんな大学のMBAをなぜ進学先として選んだのか、ということを今日は書いてみたいと思います。

 

まず、MBAに何を求めるのか、が進学先を決める上で重要になると思います。

例えば、卒業後はなるべく給料の高い会社に入りたい!あわよくばアメリカで働きたい!ということであればアメリカのMBAのなるべく知名度、ランキングの高いところを目指すことになるでしょう。

ここに、予算、時間的制約が加わる場合には、欧州に多い1年制のMBAコースの中で知名度、ランキングの高いところ、となるかもしれません。

 

また、特定の分野(アントレ、金融、マーケティング等)への強さ、学生の多様性、立地等、学校の特徴も大きな要素となるかと思います。

 

私の場合、MBAに何を求めているかというと、優先順に

  1. 経営者として仕事をする上で有用な知識と経験が得られること

  2. 将来起業することを見据え、ビジネスの対象となる市場を広げられること

 の大きく2点となります。

 

1.については、基本的にはMBAで学ぶ限りにおいて大きな差はないと考えました。

まず「知識」という観点では、MBAの多くでハーバード等の有名校のケースを使用している(NTUもそうです)ことから、学ぶ内容が学校によって大きく変わるということは一般的にはあまりないと考えました。

「経験」という観点でも、MBAではケーススタディの形式を取ることが多いです。経営者の仕事は決断だと考えていますので、ケーススタディの中で、自分が経営者ならどうするのかを考え続けて、授業を通して決断の場数を踏んでいくことは非常に重視した点ですが、これはどの学校を選んでも得られる経験であると考えました。

加えて、将来的に色んなバックグラウンドの人と仕事をする可能性を見据えて、できれば多様性のある環境で学びたい、また上記のように、学ぶ内容と形式に大きな差異がないのであれば、あとは優秀な教授、優秀な学生と一緒に学べればいいな、と考えました。

⇒これらのことから、

  • 学校のブランドにはこだわらない

  • 「多様性」という観点で海外の学校

が条件になりました。(いい教授がいて、学生が優秀(ランキングが高い??)であれば尚良し!)

 

2.については、日本のみならずこれから成長する市場も視野に入れておきたいと考えました。では、どの市場での可能性を広げておくべきか、と考えた際に、私の答えは東南アジアでした。私自身、前職時代にタイでの駐在経験があり、近隣国へも出張や旅行で何度も行き来していたためなじみ深い地域である、というのが大きいです。また、当然市場としても、成長著しい国が多くあります。

東南アジアのハブであるシンガポールMBAには、地域内の国々から学生が来ており、また東南アジアでのビジネスに取り組む人たちが、地域のエントリー国としてシンガポールを選んで、滞在しています。こういった人たちと学内、学外での交流の可能性が得られること、また実際に自ら東南アジアに身を置くことから得られる経験(地域内の国に数時間で訪問できる。しかも安い。)が将来の自分の目標に寄与してくれると考えました。

⇒これらのことから、

が条件となりました。

 

以上1.2.より、NTU(同じくシンガポールMBAであるNUS、SMUも)を志望校としました。

 

余談になりますが、実はMBAを検討した当初は欧州にある違う学校を第一志望としていました。

上記1.に関連しますが、「起業家として有用な知識と経験」と考えた際に、「アントレプレナーシップ」を強みとする学校で学ぶ魅力を感じたからです。学校で学ぶ「アントレプレナーシップ」そのものにはあまり魅力は感じないのですが、将来的に起業を考える学生が多く集まる環境に身を置くことは、非常に重要な経験になると考えました。

実際にキャンパスビジットも行い、在校生の方々ともお話させて頂くことができ、非常に優秀な人が多く、いい学校だなと感じたのですが、一方で街は成熟した雰囲気で、東南アジアにあるいい意味でのギラギラした感じがなく、どことなく物足りなさを感じました。この感覚が自分がMBAに何を求めているのかについて改めて考えるきっかけとなり、上記2.の考えに至るようになりました。(ランキングも難易度も当初第一志望とした学校の方が高いので、そちらを選択していてもどうなったか分かりませんが。。)